ある建設会社は、現場代理人や監理技術者として華々しい成果を上げ、社内でも人望が厚い課長を工事部長として昇進させました。

これで会社が大きく変化すると期待していたのですが、経営者さんが思っていたような成果が得られていないようです。

もちろん、工事部長さんは愛社精神や志も高く、部下の統率もできていますし、経営者さんの期待値が高すぎるわけでもありません。

経営者さんは「将来の理想」や、そのために成すべきことを工事部長さんに伝達していますが、どのように進めるかは裁量に任せています。

ならば、成果が得られない原因は、工事部長としての「業務内容」にあるのかもしれません。

技術者として成果を上げてきた理由は「自身が仕事をしてきた」からで、部下の統率はできていたとしても部下に仕事を任せることができないのでしょう。

仕事内容を見て、部下が「できる・できない」を判断するのですが、できないと判断すると自分で動いてしまう方が簡単ですからね。

結局「仕事をたくさん抱える」ことになり、経営者さんが期待した「社内改革」まで手が回らないのだと思います。