日光東照宮の眠り猫を彫ったと言われる、江戸時代の彫刻職人に「左甚五郎」という人がいます。
左甚五郎は、落語などに登場し、逸話とも創作とも言える話が多くあります。
その話のひとつ。
あるとき、数人の彫刻家と「誰が一番腕の立つ職人」かを競うことになりました。
各自が、ねずみを彫って勝負することになったのです。
さて、出来上がった「ねずみ」はどれも本物と見間違うほどで、外見では甲乙をつけることができません。
そこで、本物に近いものを決めるために猫に判定させめことにしました。
すると、猫は、甚五郎のねずみを口にくわえるとそのまま逃げ去ったのです。
さすがは左甚五郎・・・ということになったのですが、からくりがありました。
他の彫刻家が、ねずみを作った素材は木だったのですが、甚五郎は鰹節で「ねずみ」を彫ったのでした。
猫は「ねずみ」の外観で判断したのでは無かったのです。
・・・この話は、逸話か創作話かは判断できません。
しかし、その後、名を残したのは左甚五郎だけであり、競い合った他の彫刻家の名前は歴史には出てきません。
(・・となると創作っぽいが・・・笑)
もしも、本当の話だとすると、後々名を残した「左甚五郎」は技術だけではなく、頭もきれていたことがうかがえます。
・・・・さて、仕事をしていると、自分の技術を自慢げに誇る人を見かけます。
自己満足の自慢なのか、誰もが認める人なのかは、知りませんが・・・。
私は、そんな自慢話をウンウンとお聞きします。
が、本心は・・、
「技術だけ」ではダメなのになぁ・・・と思っているです。
(もっと言えば、自慢・虚勢する人こそ、技術も・・・)
コメント
コメント一覧 (6)
何を言っても、根は謙虚です（と、予防線）（笑）。
この話を書いた後、いろいろと考えることがありました。
(それは、明日に・・)
nikumaruさんは、「感性」という部分もちゃんと認識されているように思います。
「悪知恵」と言ったら語弊がありますが、頭の回転の良さ、気転の良さなども大事ですね。
1つの仕事を「完璧」に出来るのはプロとして当たり前なのかもしれません。
それに付加価値があるから、評価されるのだと思います。
しかし、付加価値の無い人間ほど(だからこそ)、「完璧さだけ」を自慢していると思うのです。
傍から見ていて「恥ずかしいな」と思うのです。
でも、自分を振り返ってみると・・・。
もっと恥ずかしいことが多々あるのです。
技術だけあっても近隣や作業員を治められませんしね(笑)
私の場合、東京気質の短気でよく失敗します。
江戸っ子ですねぇ。（笑）
道産子は「おっとり」していると言われますが、生粋の道産子の私は・・・・。