2011年11月21日

暮らしをまもる土木

私の所属するNPOで「暮らしをまもる土木」というテーマでフォトコンテストを開催いたしましたが、テーマを決める時「土木は人を守れなかったのではないか」という意見もありました。

また、多くの人が似たような意見をお持ちかもしれません・・・。


さて、3月11日の震災で東日本は大きな被害を受けましたが、釜石市にはギネス世界記録に認定された世界最大の防波堤がありました。

釜石港は昔から多くの津波に襲われており、市民の暮らしを守るため1200億円という税金を投じ造られたものです。

しかし、現在は5割以上が津波により破壊されたそうです。

それだけ、津波のパワーが強かったわけですが、一部には「ムダな巨費を投じた」という意見もあります。

想定外の大災害から命と財産を守るのは防波堤や防潮堤などではない、という意見も聞きます。

中には、1200億円を投じるくらいなら、同じ予算で高台に町を造った方が良かったのではないか、というヤツもいます。
(背景については、できるだけ中立的に書いていますが「ヤツ」と表現したことをお許しください)

ただ、港湾空港技術研究所の分析では、この防波堤は津波による浸水を6分遅らせ、沿岸部の津波高を4m〜7m低減させたみたいです。


RIMG0003私としては、海の向こうに途切れ途切れになった防波堤の姿を見て、「よく頑張ったな」と労いと感謝の気持ちを感じました。

防波堤が津波を防いでいた6分間は、それは多くの人の命を救ったと思います。

救った命の数を、1200億円の税金と比較すること自体がナンセンスなのです。


生きるため、生活の糧のため、そこに生活をしている人がいること。

生活圏を供用しながら防災を行う時、防波堤や防潮堤以外にどのような選択肢があったのか。

30年を費やし、完成後2年で「その使命」を全うしたことは、大いに評価されることだと思います。

ハードには限界があり、ソフト面との両立することが需要であって、結果論でハードを批判することは「愚」ではないかと思います。


また、震災前の3月5日に開通した三陸縦貫自動車道「釜石山田道路」も、この道路が開通していなければ更に大きな被害となりましたし、その後も避難経路として支援物資の輸送経路として暮らしを守っています。

私は、現地を見て、地元の方から話を聞き、土木は「暮らしをまもる」と再実感するとともに「土木屋」はもっと胸を張るべきと感じたのでした。



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この記事へのコメント

1. Posted by アマノ   2011年11月22日 21:27
>高台に町を造った方が良かったのではないか
ただの結果論ですね。
後出しジャンケン以外の何物でもない。

壊れた防波堤を見て、がっかりする人もあれば助かったことに感謝する人もいると思います。
助かった人数×命の単価は1200億円では賄いきれません。

次の「想定外」の津波はもしかしたら高台に作った町にまで押し寄せるかもしれません。
「想定外」と言い切るなら一概にアレはだめコレはいいなんて言えないはずですけどね。
2. Posted by nikumaru   2011年11月23日 00:09
■アマノさん
この日本に災害に対し安全な場所はどこにあるのか・・・。

外出するのだって危険なわけです。

それぞれが生活の糧のため「覚悟」して生きているのだと思います。
3. Posted by hiro   2011年11月25日 15:21
アマノさん

後だしジャンケン、今後に生かせれば大いにけっこうでは。

災害はいつの時代も再害です。

一回流されたところに、何回も人は住みつくものです。
4. Posted by nikumaru   2011年11月25日 18:57
■hiroさん
住むには「理由」があるわけです。

東京だって、関東大震災後にこれだけの人が住んでいるのです。

地震や津波だけではなく台風だって土砂崩れだって同じです。

ならば、それを守るのが「土木の仕事」だと思うのです。

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